グリーフ(grief)とは、「悲嘆」「悼み」などと訳されることが多いですが、
SaChiでは、「喪失体験に伴う哀惜や悲しみなど様々な感情」ととらえています。
グリーフの感情は様々で、怒りや自責、安心する気持ちなども含まれます。
かけがえのない人と死別した場合、このグリーフをしっかり行い、
自分の気持ちを認め、味わうことが、次への一歩に繋がると考えます。
それは、大人でも若者でも子どもでも同じです。
しかし、周りからは
「いつまでも泣いてないで」
「あなたがしっかりしないでどうするの」
「早く前を向いて歩かないと亡くなった人が心配する」
などと言われることがあります。
また、自分でも
「いつまでも泣いていたら周りに心配をかけてしまう」
「悲しみにくれていると立ち直れなくなりそうで怖い」
「死別した人のことを話したいけれど、話せる相手がいない」
なとど考え、十分に悲しむことをせずに感情に蓋をする場合があります。
SaChiでは、安心してグリーフを表出できる場所として、ワンデイプログラムを実施しています。
年齢に合わせた、またひとりひとりの主体性を尊重したプログラムで、グリーフの心に寄り添います。
【 死の受容について 】
キューブラー・ロスは著書『死ぬ瞬間』において、死の受容のプロセスを5段階で表現しています。
これは、自分の死についての受容についての段階ですが、かけがえのない人の死を受容する場合にも同様の段階を踏むと考えられます。
- 第1段階 「否認」
そんなことが起こるはずがない、何かの間違いだ、と否認する。 - 第2段階 「怒り」
どうして自分にそんな辛いことが起こるのか、周囲に怒りを向ける。 - 第3段階 「取引」
「いい子にするからお母さんの命を助けて欲しい」など、神のような存在と取引をする。 - 第4段階 「抑うつ」
取引が無駄であることを認識し、失望し、抑うつ状態となる。 - 第5段階 「受容」
悲嘆の気持ちとともに、死の事実を受容する。
すべての人がこの順番で進むものではなく、複数の段階を行ったり来たりする場合もあります。
SaChiでは、どの段階にある子どもや若者に対しても、それぞれの段階に応じたサポートをし、グリーフを見守ります。